摂食障害を考えるときには、その「症状」と「原因」をわけておかないと、出口のない迷路に迷い込んでしまいやすいので要注意です。
症状を封じ込めることが「回復」なの?
「摂食障害を治したい!」
そう思ったときに、まず考えるのが「症状を止める」ことだったりしませんか?
症状を止めようとすること自体は何も問題ないのですが、「症状を止める」ことがそのまま「摂食障害を治す」ことだと思ってしまっているとしたら、それは考え直した方がいいかもしれません。
症状を止められなかったときに、「わたしには本気で治そうとする気持ちが足りないのかも」「こんなんじゃいつまでも治らない…」などと自分を責めたり落ち込んだりしたことがあるとすれば、なおさらです。
拒食も過食もあくまで「症状」にすぎません。
その症状をなんとかして封じ込めたところで、それは対症療法にしかならず、根本的な原因をなんとかしない限りはその対症療法をずっと続けることになってしまいます。
摂食障害の「原因」ってなに?
では、そもそも摂食障害の原因って何なんでしょうか?
摂食障害になる直接的なきっかけは人それぞれで、しかもひとつだけとは限らず、いくつも複雑に絡み合っていることがほとんどだと思います。
家族間の問題、いじめ、人間関係、トラウマ、進学や就職、失恋など、人それぞれに様々なきっかけがあると思います。
もしかしたら自分でもまだ気付いていないこともあるかもしれません。
ただ、ひとつだけいえるのは、みんな共通して「自己肯定感の低さ」という問題を抱えているということです。
ピアフルでは、摂食障害の根本原因はこの「自己肯定感の低さ」にあると考えています。
症状と原因をわけて考える
まず「症状」については、あくまでも症状による心や体への負担を軽減するという意味で、出来る範囲で工夫をしたり、病院で相談をしたりするのがいいと思います。
大事なのは、拒食や過食は症状のひとつにすぎないということを忘れないこと、そして症状の存在やその変化などに必要以上に振り回されないようにすることです。
そして「摂食障害を治すために」取り組む必要があるのは、症状よりも「原因」の方です。
もし自分が摂食障害になった原因がはっきりとはわからなくても、「わたしはどうして摂食障害になったんだろう?」と考えることこそが、摂食障害やその原因に取り組むということであり、自分自身に向き合うということでもあります。
そうして、自分でもわからなかった心の奥底の「声」に気付いていくことが、「回復の道を歩む」ということ、もっといえば「回復そのもの」だともいえるかもしれません。
まわり道のように感じてしまうかもしれませんが、「症状」にばかり焦点をあてすぎてしまうと、自分がつらくなるだけでなく、出口も見えづらくなってしまいます。
症状のことはいったん横に置いておくくらいの気持ちで、ちょっと立ち止まって、心の奥の声に耳を澄ませてみて下さい☆