最近、「からだにいいと思える物しか食べられない」という「オルトレキシア」と呼ばれる病気が話題になっています。
オルトレキシアって?
健康的だと思える食べ物しか食べようとせず、不健康だと思える食べ物を避けるなど、食事についてあまりにも極端で強迫的になってしまうことで陥る一種の摂食障害や精神障害だと言われています。
まだ新しい概念のため、DSM(国際的に用いられている精神障害/疾患の診断・統計マニュアル)にも定義されていませんが、このオルトレキシアに苦しむ人は増加していて、中には重度の栄養失調や死につながるほど極端な執着となるケースもあるとのことで、最近になって少しずつ認知が広まっているようです。
有機野菜や玄米などにこだわり
オルトレキシアの人たちは、乳製品や脂質、糖質を避けたり、未加工や未精製の食品にこだわったり、「純粋な」食べ物のみを食べたい願望が強迫観念的になってしまいます。
野菜は有機野菜のみ、お米は玄米のみ、などと厳しい制限をし、それを守れないと激しい罪悪感に苛まれます。
やがて、常に頭の中は食事のことでいっぱい、「正しい」食事をするために日常生活が振り回される、といった状態になっていきます。
背景には、低い自尊心
栄養失調を起こすほどの食事への強いこだわりや罪悪感、またそれによって日常生活にまで支障をきたしてしまうなど、従来の摂食障害にとてもよく似た印象のオルトレキシアですが、そのきっかけは少し違っていて、「健康になりたい」というところに発しています。
それは一見、「健全な動機」のようですが、根本的には、健康不安からの安全確保、さまざまな恐怖からの逃避、強迫的なコントロール欲求、やせ願望、食べ物を通したアイデンティティの確立などがなされているとのことで、低い自尊心を満たすための衝動ともいえるようです。
オルトレキシアの人が抱える根本的な問題は、従来の摂食障害のものと共通する部分が多く、「新型摂食障害」などと呼ばれることもあり、メディアの注目を集めています。
Source: Wikipedia / NEDA (Orthorexia Nervosa)