
文と写真:はるっぺ

「みんなそのまま、ありのままで100%完璧!」
これは、デンマークでの人間に対する基本的な考え方です。
私は2015年8月から12月まで、北欧の福祉国家で「世界一幸せな国」としても有名なデンマークに福祉を学ぶために留学しました。
個性が認められる環境で育つ
在学中、福祉関係の施設を見学したり、専門家にお話を伺ったりしましたが、印象に残っている事のひとつは保育に関わる専門家(保育士など)の一番の仕事が「愛情をそそぐこと」ということ。
子どもが泣いていたら必ず1対1で対応して、おもちゃを与えるなどごまかして泣き止ませようとはせず、その子の悲しいという気持ちを100%受けとめるのだそうです。
自分の気持ちや存在を100%認めてもらえる環境でこそ、自尊心が育つと考えられているのです。
また小中学校などでも子ども同士で成績を比べられたり、成績が良くて褒められたり、悪くて叱られることはありません。
100点を取ることではなく、1人1人が持つ能力を最大限に伸ばすことが教育の目的だからです。
そしてその子に合った目標を達成することで自尊心が育つのです。
学校で出会った人たち
私が学んだ学校はフォルケホイスコーレという全寮制の成人教育機関です。
学問を学ぶというより、生きることの意味や目的を考えたり、コミュニケーションなど社会的なスキルを身に着けることがプログラムの中心でした。
普通の学校に馴染めなかった発達障害や移民などの若者や、鬱などで自立にサポートが必要な人、知的障害がある人なども学んでいました。
私が一番驚いたのは、何かしら困難や障害を抱えている人が多いのに、みんな自尊心がしっかりあるように見えたことです。
発達障害や精神疾患があることは、その人の価値を低めるものではないと分かっているので、隠すことなくごく当然のように自分の障害について話しをしてくれました。
知的障害がある人たちも福祉のサービスを利用しながら自立して生活していて自信が感じられました。
全ての人が尊重されていると実感できる環境には、今まで感じたことのない安心感がありました。
人と比べる必要なんてない!
「私は私で良いんだ!」ということが最大の学びだった、と言う日本人学生は私を含め少なくありませんでした。
人と比べない、自分を否定しない、相手を尊重する。
言ってみればたったそれだけなんですけどね。
今では「摂食障害がある私でも、100%完璧!」とまではいかなくても、「摂食障害がある私でも、いいんじゃない?」と思えるようになりました。
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mysense
はるっぺさん、読んでいてじーんときました。
デンマークの価値観も、はるっぺさんが行動して自分の気づきを得たことも。
写真も素敵で文章もすごく読みやすくて伝わりやすくて、なんだか雑誌の1ページを読んでいるようでした。はるっぺさん、編集の才能があるのでは…!?なんて。
素敵な体験を共有してくださり、ありがとうございました。
2017年7月22日 08:58
はるっぺ
mysenseさん、読んでいただいただけでも嬉しいのに、
素敵なコメントありがとうございます(*^^*)
私にとっては大変なことも多い留学でしたが、
得たものの方が大きかったなぁと思います。
私の感じたことや、デンマークの魅力がお伝えできて良かったです。
2017年7月23日 22:46